分析を支える白い石
2月も終わりが近づき、少しずつ春の暖かさを感じる日が増えてきました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。私は、石灰石などの鉱物を粉砕・溶解し、化学分析を行う業務を担当しています。
さて、先日まで開催されていた ミラノ・コルティナ冬季オリンピック が閉幕しました。
日本の獲得メダル数は金5個、銀7個、銅12個の計24個。前回の 北京オリンピック を上回り、冬季大会として過去最多記録を更新しました。さらに金メダル5個は、長野オリンピック と並ぶ最多タイです。
開催地イタリアの南部は石灰岩地帯として知られ、古くから建築材料として石灰岩が利用されてきました。石灰岩は、パルテノン神殿 などの歴史的建造物にも使用されている、人類の営みを支えてきた素材です。そして石灰は、文明だけでなく「化学の原点」ともいえる存在です。石灰石(CaCO₃)は加熱すると二酸化炭素を放出し、酸化カルシウム(生石灰)へと変化します。
CaCO₃ → CaO + CO₂
この熱分解反応は、非常にシンプルでありながら、物質が姿を変える化学反応の本質そのものです。
さらに生石灰に水を加えると強い発熱を伴いながら消石灰へと変化します。
ただの白い石に見えて、熱を受ければ分解し、水と出会えば激しく反応する。
静かに見えて、実は非常に“熱い”物質なのです。
私の前に現れた石灰石は、粉砕され、溶解され、やがて数値へと姿を変えます。
少し切ない気もしますが、その変化を正確に捉えることが、品質を守り、社会を支えることにつながっています。
今日もまた、その白い粉に敬意を払いながら、感謝の気持ちを込めて分析に向き合いたいと思います。
資源部