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シラス豊漁は海からのサイン?

今年(2026年)、シラス漁に明るいニュースが届いています。長く続いた不漁から一転、豊漁への期待が高まっているのです。環境分析を生業とする私たちにとって、この変化は単なる朗報ではありません。海洋環境の変化を示す"海からのサイン"として捉える必要があります。 

豊漁の背景にある「黒潮大蛇行の終息」 
近年のシラス不漁の一因とされていた黒潮大蛇行は、2025年4月に終息しました。
黒潮が本来のルートに戻ったことで沿岸環境にも変化が生じ、海水温やプランクトン分布が安定したことが、シラスの来遊に影響を与えたと考えられています。実際、2026年シーズン解禁初日には、静岡県・田子の浦港で前年を大きく上回る水揚げとなったと報じられました。 
ただし、手放しでは喜べません。静岡県のシラス漁獲量は、10年前の7600トン超から減少傾向が続いており、2025年もピーク時の3分の1ほどとされています。今回の豊漁は朗報である一方、長年、海洋環境が不安定だったことの裏返しとも言えるでしょう。 

「シラス」は一種類ではない 
実は「シラス」は特定の魚の名前ではなく、イワシ類の稚魚の総称です。主に次の3種類があります。 
 • カタクチイワシのシラス 
 • マイワシのシラス(マシラス) 
 • ウルメイワシのシラス 
種類ごとに資源量の動きも異なり、今年もカタクチは回復傾向、マシラスは前年割れ予測と、明暗が分かれています。 
シラスの漁獲動向は、海洋環境の変化を映す繊細な指標でもあるのです。
 
加工で変わる、シラスの姿 
同じシラスでも、加工方法によって呼び名や食感が変わります。 
 • 生シラス:未加熱で鮮度が命 
 • 釜揚げシラス:塩茹でした柔らかな食感 
 • しらす干し:軽く乾燥した定番品 
 • ちりめんじゃこ:しっかり乾燥し日持ちも長い 
 • たたみイワシ:生シラスを畳状に干したもの 
小さな魚ですが、日本の食文化の中でさまざまな姿に変化しています。
 
海からのサインは、データで読み解ける 
黒潮大蛇行、海水温、プランクトン分布――これらは目に見えません。
しかし、水質や海洋環境の継続的なモニタリングによって、その変化を捉えることができます。 
シラスの豊漁・不漁も、こうした環境変化の積み重ねの結果として現れる「見える化された自然のサイン」と言えるでしょう。
 
私たちも日々の分析業務を通じて、水質・大気・土壌などのデータが環境変化と深く関わっていることを実感しています。
今年の豊漁を喜びつつ、その背景にある海の変化にも目を向けること。
それが、おいしいシラスを次の世代へ残す第一歩ではないでしょうか。 

環境計画部 
 
 

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